建設業許可の更新

建設業許可の更新とは?必要書類・期限・申請の流れを解説
建設業許可には有効期間があるため、許可を取得した後も、継続して建設業を営むためには定期的な更新手続きが必要です。
「建設業許可の更新はいつまでにすればいい?」
「更新にはどんな書類が必要?」
「決算変更届を出していないけれど、更新できる?」
「会社の役員や営業所が変わっている場合はどうすればいい?」
このような疑問をお持ちの建設業者の方も多いのではないでしょうか。
建設業許可の更新は、新規許可申請とは異なり、すでに取得している許可を引き続き有効にするための手続きです。
ただし、更新時には、これまでの決算変更届や変更届が適切に提出されているかなども確認する必要があります。
この記事では、神奈川県で建設業許可を更新する場合を念頭に、更新の期限、必要書類、更新前に確認すべき事項、申請の流れについてわかりやすく解説します。
建設業許可の有効期間は5年間
建設業許可の有効期間は、許可を受けた日から5年間です。
5年を経過しても引き続き建設業を営む場合には、許可の更新を受ける必要があります。
国土交通省も、建設業許可の有効期間は5年間であり、更新を受けなければ許可が失効すると案内しています。
例えば、
「令和3年10月1日」に許可を受けた場合、許可通知書に記載された有効期間を確認し、その満了日までに更新手続きを行う必要があります。
正確な満了日は、手元の建設業許可通知書などで確認しましょう。
建設業許可の更新はいつまでに申請する?
神奈川県知事許可の場合、更新申請は、
許可の有効期間満了日の3か月前から30日前まで
の期間に行います。
ここは非常に重要なポイントです。
「満了日までに申請すればいい」と考えてしまう方がいますが、神奈川県では更新申請の受付期間が定められています。
更新時期のイメージ
例えば、許可の満了日が12月31日であれば、
10月1日頃から12月1日頃まで
が更新申請の期間となります。
ただし、実際の満了日や受付期間は許可通知書等で確認するようにしてください。
更新期限を過ぎたらどうなる?
更新申請をしないまま許可の有効期間が満了すると、建設業許可は失効します。
神奈川県は、許可の有効期間が満了した場合、いかなる場合でも更新することはできず、許可が必要であれば新規申請をする必要があると案内しています。
つまり、
更新を忘れたから少し遅れて更新する
ということはできません。
許可が失効すると、これまで使用していた許可番号もそのまま引き継ぐことはできません。
そのため、建設業許可を継続して使用する予定がある場合には、早めに更新準備を始めることが重要です。
更新申請をすれば、満了日を過ぎても許可は有効?
更新申請を受付期間内に行っている場合には、更新処分がされる前に現在の許可の有効期間が満了しても、一定の場合には従前の許可が引き続き有効となります。
神奈川県の手引きでは、更新申請後に許可の満了日を迎えた場合、許可または不許可の処分がされるまでは従前の許可が有効とされています。
ただし、これは「期限を過ぎてから申請しても大丈夫」という意味ではありません。
あくまで、定められた期間内に更新申請を行っていることが前提です。
建設業許可の更新で最初に確認すること
更新申請では、いきなり申請書を作成するのではなく、まず現在の許可状況を確認します。
確認するポイントは次のとおりです。
- 許可の有効期間
- 許可を取得している業種
- 一般建設業か特定建設業か
- 知事許可か大臣許可か
- 営業所の所在地
- 役員の状況
- 経営業務の管理責任者等の状況
- 営業所技術者等の状況
- 過去の変更届の提出状況
- 過去5年間の決算変更届の提出状況
特に重要なのが、許可取得後の変更をきちんと届け出ているかという点です。
更新前に「決算変更届」を確認する
建設業許可を取得している事業者は、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届を提出する必要があります。
神奈川県では、決算変更届について、
- 決算変更届
- 工事経歴書
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 財務諸表
- 事業報告書(株式会社の場合)
- 納税証明書
などを提出します。
例えば5年間許可を受けている会社であれば、通常、その5年間について毎年の決算変更届を提出しているか確認することになります。
決算変更届を出していない場合
「忙しくて決算変更届を提出していなかった」
というケースもあります。
しかし、決算変更届は建設業許可を取得した後の重要な義務です。
神奈川県も、決算変更届を提出しない場合には罰金刑等の対象となる場合があり、経営事項審査を受けられなくなるなどの影響があるため、法定期限を守るよう案内しています。
更新時に未提出の決算変更届がある場合には、まずその状況を整理し、必要な届出を行うことが重要です。
更新前に「変更届」も確認する
建設業許可を取得した後、会社や営業所などに変更があった場合には、変更届が必要になります。
例えば、
- 商号・名称の変更
- 会社の組織変更
- 営業所の名称変更
- 営業所の所在地変更
- 役員の変更
- 代表者の変更
- 経営業務の管理責任者等の変更
- 営業所技術者等の変更
- 資本金の変更
などです。
神奈川県では、変更事項によって届出期限や必要書類が定められています。例えば商号・名称や営業所の名称・所在地などについては、原則として30日以内の変更届が必要です。
そのため、更新時には、
「現在の会社の状態と、県に提出している許可関係書類の内容が一致しているか」
を確認することが重要です。
建設業許可の更新に必要な主な書類
更新申請では、新規申請とは異なる書類構成になります。
神奈川県では、令和8年度版の申請様式に**「営業所一覧表(更新)」**など、更新申請用の様式が用意されています。
主な書類としては、次のようなものがあります。
基本的な申請書類
- 建設業許可申請書
- 営業所一覧表(更新)
- 役員等の一覧表
- 営業所技術者等の一覧表
- 誓約書
- その他の必要な申請書・添付書類
申請者の状況や許可区分によって、必要書類は変わります。
更新時には定款の写しも必要
神奈川県では、令和8年度版の手引きから、更新申請時の定款の写しが必須添付書類となっています。
これは今回の更新申請で特に注意したいポイントです。
定款の内容が現在の会社の実態と一致しているかについても、あわせて確認しておきましょう。
営業所技術者等の確認も重要
更新だからといって、営業所技術者等について何も確認しなくてよいわけではありません。
例えば、前回の許可申請後に、
- 営業所技術者等が退職した
- 担当者が変更になった
- 営業所を移転した
- 営業所を追加・廃止した
などの事情があれば、必要な変更手続きが行われているか確認します。
神奈川県は令和8年度版手引きで、経営業務の管理責任者、営業所技術者等の常勤確認資料についても見直しています。
したがって、更新申請では現在の人員状況と届出内容が一致しているかを確認することが重要です。
特定建設業許可は財産的基礎にも注意
特定建設業許可を更新する場合には、財産的基礎の要件についても注意が必要です。
神奈川県も更新時の注意事項として、
「特定建設業の許可の場合、直前の決算で財産的基礎要件をクリアしているか」
を確認するよう案内しています。
一般建設業と特定建設業では財産的基礎の要件が異なるため、特定建設業許可を取得している会社は、更新前に財務内容を確認しておくことが重要です。
建設業許可の更新申請の流れ
更新手続きは、次のような流れで進めます。
STEP1 許可の満了日を確認する
まず、建設業許可通知書などで許可の有効期間を確認します。
STEP2 決算変更届の提出状況を確認する
過去の事業年度について、決算変更届がすべて提出されているか確認します。
STEP3 変更届の提出状況を確認する
役員、所在地、営業所、技術者などに変更がなかったか確認します。
変更があったにもかかわらず届出をしていない場合には、更新申請前に必要な手続きを行います。
STEP4 現在の許可内容を確認する
現在取得している業種、営業所、役員、技術者等を確認します。
STEP5 更新申請書類を作成する
現在の許可内容と会社の現状を確認しながら更新申請書を作成します。
STEP6 必要書類をそろえる
定款、登記事項証明書など、申請者の状況に応じた必要書類を準備します。
STEP7 更新申請を行う
神奈川県の場合、許可満了日の3か月前から30日前までの受付期間内に申請します。
STEP8 審査・更新
行政庁による審査を経て、更新が認められます。
建設業許可の更新でよくある注意点
① 更新期限を勘違いしている
最も注意したいのが申請期限です。
「許可満了日までに申請すればいい」と考えず、受付期間を確認しましょう。
神奈川県では、満了日の3か月前から30日前までが更新申請の受付期間です。
② 決算変更届が未提出になっている
5年間の間に決算変更届を提出していなかった場合には、更新準備の段階で確認が必要です。
③ 役員変更の届出を忘れている
役員変更などを行ったにもかかわらず変更届を提出していないケースがあります。
更新申請前に、現在の登記内容と建設業許可の届出内容を確認しましょう。
④ 営業所技術者等が変わっている
退職や人事異動などによって営業所技術者等が変わっている場合には、必要な変更手続きが行われているか確認します。
⑤ 許可業種を見直していない
更新は「今までの許可をそのまま更新する」だけとは限りません。
実際の事業内容や今後の受注予定によっては、業種追加や廃業などを同時に検討する必要があります。
建設業許可の更新と「業種追加」は別の手続き
例えば、
現在、
- とび・土工工事業
- 土木工事業
の許可を取得している会社が、新たに「解体工事業」の許可も取得したい場合、単純な更新ではなく業種追加の手続きが必要になります。
更新と業種追加を同時に行うことができるケースもあります。
今後の事業展開を考え、更新前に「現在の許可業種で十分なのか」を確認しておくとよいでしょう。
建設業許可の更新を行政書士に依頼するメリット
建設業許可の更新は、新規申請と比べると手続きが簡略化される部分があります。
しかし、
- 決算変更届の提出状況
- 変更届の提出状況
- 現在の役員
- 営業所
- 経営業務の管理責任者等
- 営業所技術者等
- 許可業種
- 定款
- 財務関係
などを確認する必要があります。
特に5年間の間に会社の状況が変わっている場合には、単純な更新申請では済まないことがあります。
行政書士に依頼することで、更新申請書の作成だけでなく、更新前の届出状況の確認や必要な変更手続きの整理も含めて準備できます。
建設業許可の更新は早めの準備がおすすめ
建設業許可は5年ごとに更新が必要です。
しかし、更新時になってから、
「決算変更届を何年も提出していなかった」
「役員変更の届出をしていなかった」
「営業所技術者等が変わっている」
といった問題が見つかると、申請準備に時間がかかることがあります。
そのため、
許可満了日の3か月前になってから準備するのではなく、できるだけ早めに現在の届出状況を確認する
ことをおすすめします。
まとめ
建設業許可の有効期間は5年間です。
引き続き建設業を営むためには、許可の更新手続きが必要です。
神奈川県の場合、更新申請は許可満了日の3か月前から30日前までに行います。
更新前には、次の項目を確認しておきましょう。
- 許可の満了日
- 決算変更届の提出状況
- 変更届の提出状況
- 役員の状況
- 営業所の状況
- 経営業務の管理責任者等の状況
- 営業所技術者等の状況
- 現在取得している許可業種
- 定款の内容
- 特定建設業の場合の財産的基礎
特に重要なのは、「更新申請書を作成すること」だけではなく、5年間の間に発生した変更や決算関係の届出が適切に行われているかを確認することです。
更新期限を過ぎてしまうと、更新ではなく新規申請が必要となるため、許可満了日は必ず確認しておきましょう。
とのうち行政書士事務所では、建設業許可の更新について、現在の許可内容や変更届・決算変更届の提出状況を確認したうえで、更新申請をサポートしています。
「更新の時期が近づいているけれど、何を準備すればいいかわからない」
「決算変更届をきちんと提出できているか不安」
「役員や営業所が変わっているけれど、変更届を出していない」
という場合も、まずは現在の状況をご相談ください。
※本記事は神奈川県知事許可を念頭に作成しています。建設業許可の更新に必要な書類や手続きは、許可行政庁や申請者の状況によって異なる場合があります。申請時には最新の手引き等をご確認ください。



